全国の居住目的のない空き家は2018年には349万戸にのぼっています。国は管理が不十分な物件について新たな制度を導入する方針を固めました。「管理不全空き家」に指定して改善されない場合は空き家の固定資産税を減額する措置を解除するということです。空き家をめぐる課題や対策の仕組みと狙いなどをまとめました。
固定資産税等の住宅用地特例が解除されます。住宅用地は固定資産税の特例措置が適用されており、評価額が6分の1、200㎡超える部分は3分の1(都市計画税は同様に3分の1、200㎡超えが3分の2)になっています。この特例が解除されると税負担が約4倍以上に跳ね上がります。
屋根、外壁等の一部が、汚物や落書き等、外見上痛んだり汚れたまま放置されている | |
窓ガラスの一部が割れたまま放置されている | |
看板が破損、汚損したまま放置されている | |
立木等に建築物の一部を覆う程度まで繁茂している | |
敷地内にゴミ等が散乱している |
管理不全空き家とは「放置すれば特定空き家になる恐れがある空き家」のことです。 現時点(令和5年7月)で国のガイドラインが出てませんが、既にある特定空き家のガイドラインを元に考えると左上の状態が想定されます。
以前から「放置すると倒壊する危険性が高い物件」を「特定空き家」に指定し、下記のようなフローチャートで、最終強制的に解体撤去を行う手続きがありました。
(住宅用地特例の対象から除外)
(命令違反すると50万円以下の過料)
(強制撤去)
特定空き家の指定により一定の成果はありましたが増え続ける空き家の対応には不十分でした。
また、特定空き家に指定されてから自治体が介入しても、手遅れの状態で解体撤去するしか方法がなく、解体費用がかさんでしまうという課題がありました。
そこで今回、「放置すれば特定空き家になる恐れがある空き家」として「管理不全空き家」を新設しました。強制撤去するしかないような状態に陥る前に、自治体が介入し、所有者を啓蒙し、手遅れになるのを防ぐという狙いからです。
手遅れになる前に、行政が介入・指導
手遅れで強制撤去しかないケース多発
既存建物活用①
既存建物活用②
建物新築して活用
【経歴】九州大学工学部卒業後、山一証券に入社し、平成3年より不動産業界に転職する。以後30年以上不動産の仕事に携わる、中古住宅の売買仲介・土地活用・新築住宅の販売等の仕事に従事し、令和元年9月に今の会社を起業する。
【保有資格】公認不動産コンサルティングマスター、1級空き家管理士、2級FP技能士、宅地建物取引士、相続対策専門士、一般社団法人家族信託普及協会会員
泉北ニュータウンと泉北ニュータウン周辺の堺市南区・堺市中区・大阪狭山市・和泉市